現物価格と先物価格
商品先物取引では、を受け渡すことを前提に取引を行っています。
将来の一定時点で対象物の価格形成、を行っている(つまり取引)ほうを「先物」、目の前にあって、渡そうと思えば渡せるほうを「現物」と呼びます。
通常は、現物価格と先物価格は連動して動いています。
現物取引とは
現物取引と先物取引の大きな違いは、現物取引は、対象商品を直ちにまたは近日中に受け渡すということです。
また、取引所を介さない相対取引であるため、商品の品質や量、受渡しの諸条件も買い手と売り手の合意によって自由に決めることができます。
しかし、相対取引であるということは、将来、相手方あるいは自らに何らかのトラプルが発生した場合、契約不履行に終わるかもしれないというリスクを背負っています。
現物価格と先物価格の関係は?
現物価格と先物価格の関係は、連動しているといえます。
ここでは、純度99.99%の金を固めた金地金を例に見ていきましょう。
金地金のようにに腐ったり傷んだりしない現物の場合、保存しておくことによる価値の変動というのはありません。
つまり、現物の金の価格が上昇すれば、先物の金の価格も上昇します。
逆に、新しく大規模な金鉱山が発見されたり、金と同様の性質をもった安価な物質が発見されたりするなど、将来の金の需給が緩和されるニュースが出ると、先物の価格が下落します。
ただ持っているだけでは意味のない現物の金の価格も、先物価格の下落を見てやはり下落するでしょう
金融商品の場合は?
金融商品の場合、現物が将来を見越して価格形成されています。
株価は企業の将来の業績に対する思惑を反映しながら変動しますし、債券価格も将来の金利動向を予測しながら動きます。
つまり、現物価格が動く時には、同じ情報で先物価格も動くことになるのです。
金融商品の現物価格と先物価格唯一の違いは決済日だけでして、その現物価格と先物価格は、将来を予想しながら価格が動くもの同士なのです。